2024年9月 2日
9月はがん征圧月間です。がんは、国民の2人に1人がかかると言われています。早期発見により、生存率が上がるため、定期的な検診が重要です。大腸がんは2020年の人口動態統計より、部位別のがん死亡数で、女性は第1位、男性は第3位と上位に入ります。早期発見・治療により、その後の生存率は高くなります。今回は、大腸がんの早期発見について、ご紹介します。
大腸がんは、大腸(結腸や直腸(右図))に発生するがんです。腺腫という良性のポリープががん化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。
早期の段階では自覚症状はほとんどありません。進行すると代表的な症状として、便に血が混じる(血便や下血)、便の表面に血液が付着するなどがあります。また、がんが進行すると慢性的に出血することによるめまいなどの貧血症状や、腸が狭くなることによる便秘や下痢、便が細くなる、便が残る感じがする等の症状が起こることがあります。
便に血が混じる、血が付着するなどの症状は、痔などの良性の病気でも起こることがありますが、がんの場合、そのままにしておくと進行してしまいます。できるだけ早くがんを発見するため、このような症状がある場合は、早めに消化器科、胃腸科、肛門科などを受診するようにしましょう。
早期発見のためには、大腸がん検診を受けることが大切です。検診には職場の検診とお住まいの自治体の検診があります。ほとんどの自治体で費用の多くを公費で負担しており、少ない自己負担で受けることができます。
対象者 | 内容 | 検診の間隔 |
---|---|---|
40歳以上 | 便潜血検査(2日法) ・2日分の便を採取し、便に混じった血液を検出する検査 (がんからの出血は、出血したり止まったりを繰り返すため、2日分を採取します) |
1年に1回 |
がんは1回の検診でみつからないこともありますので、毎年定期的に受診することが大切です。 また、わずかではありますが、検診と検診の間に発生して、急速に進行するがんもあります。そのため前述した症状が続く場合は、次のがん検診を待たずに医療機関を受診してください。
検査の結果が、「要精密検査」となった場合は、必ず精密検査を受けましょう。 大腸がん検診の精密検査は、大腸内視鏡検査や大腸CT検査が実施されます。大腸内視鏡は、下剤と経口洗浄液で大腸を空にした後、肛門から内視鏡を挿入し、直接大腸を見る検査です。ポリープが見つかった場合は、状態によっては検査や治療を行います。大腸CT検査は大腸を空にした後、肛門からガスを注入し大腸を拡張させ、X線で撮影する検査です。撮影された画像を基に、がんやポリープなどを調べます。
大腸がんがあっても症状が出ないことはよくあります。「次回の検診まで待とう」、「症状がないから大丈夫」などと自己判断はせず、確実に精密検査を受けましょう。
参考:がん情報サービスHP
( 健康づくり推進部 菊地 香 2024.9)