2024年6月 1日
毎日歯磨きをしているから「歯周病はないから大丈夫」と思っていませんか?厚生労働省の調査結果によると、歯周病リスクの高い方の割合は、25歳~44歳の方は30%以上、45歳以上の方は40~50%です。2~3人に1人は歯周病リスクが高い方がいることになり、とても身近な病気です。
今回は、歯周病が身体に及ぼす影響と歯周病予防のポイントについてご紹介します。
歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症の病気で、歯の周りの歯ぐきや歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。原因は、細菌のかたまりである歯垢(プラーク)です。
歯ぐきの腫れや出血から始まり、放置するとやがて歯がぐらついて抜けてしまうこともあります。
歯垢(プラーク)は取り除かなければ硬くなり、2週間ほどで、歯石という物質に変化し、歯の表面に強固に付着します。歯石になると歯ブラシだけでは取り除くことができず、歯周病を進行させる毒素を出し続けていきます。
歯垢(プラーク)によって歯ぐきに炎症が起こり、炎症によって出てくる毒性の物質が、歯ぐきの血管から全身に入り、様々な病気の原因になることが報告されています。歯周病の人はそうでない人に比べて2.8倍も脳梗塞になりやすいと言われています。日ごろからセルフケアを行い、予防することが大切です。
【Point1】デンタルフロスや歯間ブラシを毎日使いましょう
歯ブラシだけでは歯垢(プラーク)は取り切れません。1日1回使用しましょう。
【Point2】年に1~2回は歯科医院を受診しましょう
セルフケアでは切り取れない歯石の除去や歯のクリーニング、歯や歯ぐきの状態を確認してもらいましょう。
【Point3】糖尿病の方は主治医のもと治療を継続しましょう
糖尿病の方は免疫が低下するため、歯周病になりやすくなります。歯周病の進行も早いため、積極的に歯科を受診し、早期発見・早期治療に努めましょう。また、血糖値のコントロールが不良な場合も歯周病リスクが高くなるため、定期的に主治医のもと治療を継続しましょう。
歯周病を治療すると、糖尿病も改善します。
【Point4】たばこを吸う方は禁煙しましょう
たばこも歯周病を悪化させる要因のひとつです。禁煙すると歯を支える組織の状態が良くなるため、歯周病のリスクが下がり、治療の効果が上がります。たばこを吸っている方は禁煙に努めましょう。
参考:e-ヘルスネット、NHK健康ch、日本臨床歯周病学会
(健康づくり推進部 横山 理恵 2024.6)