新潟ウェルネス - 健康診断と人間ドックの新潟県労働衛生医学協会

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2023年10月 2日

健康トピックス

睡眠時無呼吸症候群

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応援通信20231000.png睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは、睡眠中に無呼吸を繰り返すことで、様々な合併症を引き起こす病気です。その代表的な症状に、日中の眠気があります。このために労働災害や交通事故など重大な問題に至った例が数多く報告されており、社会問題になっています。今回は、SASになりやすい人の特徴と症状、その予防についてご紹介します。

SASになりやすい人と症状

SASは、空気の通り道である気道が狭くなることが原因です。特徴的な原因のひとつに、肥満が挙げられますが、肥満でない人もSASである可能性があります。

SASになりやすい習慣や特徴 応援通信20231002.png

□ 太っている
□ あごが小さい、あごが後退している
□ 鼻炎、鼻づまりなどの鼻症状がある
□ 男性、閉経後の女性
□ タバコを吸っている
□ 睡眠薬を使用している
□ 寝る前のお酒が習慣化している
□ 高血圧、糖尿病、脂質異常症である

SASの症状

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□ 日中の強い眠気がある
□ いびきをかく(周囲から指摘される)
□ 睡眠中に呼吸が止まる、息苦しい
□ 夜中に目が覚める、よくトイレに行く
□ 熟睡感が得られず、体がだるい
□ 起床時に頭痛がある、口が渇いている
□ 集中力・記憶力の低下
□ 気分がすぐれない、沈んでいる

放っておくと・・・

 日中の眠気は、作業効率の低下、居眠り運転事故労働災害の原因にもなります。また、SASでは高血圧、脳卒中、心筋梗塞などを引き起こす危険性が約3~4倍高くなると言われています。しかし、適切な治療により、健康な人と同等まで死亡率を低下させることが明らかになっています。
 上記の症状がある場合は、速やかに専門の医療機関で検査・治療を受けることが大切です。診療科は、呼吸器科、循環器科、睡眠外来など、多岐にわたります。「にいがた医療情報ネット」などで検索ができます。通いやすい病院を探すと良いでしょう。

SASを予防するには

応援通信20231004.png◎適正体重を維持する
食生活や運動、睡眠などの生活習慣の改善を心がけましょう。

◎お酒に注意する
お酒は適量を守り、寝酒は控えましょう。

応援通信20231005.png◎鼻症状の改善、口呼吸から鼻呼吸へ
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの鼻症状がある場合、口呼吸の方は、耳鼻咽喉科の受診をお薦めします。

◎睡眠薬服用の注意
睡眠薬の多くは、無呼吸症状を悪化あるいは助長させます。自己判断での服用は避け、医師とよく相談することが大切です。

応援通信20231006.png◎寝る姿勢を工夫する
横向きで寝ると気道の閉塞を軽減できる場合があります。抱き枕などを使って横向きで寝られる工夫をしてみるのも良いでしょう。

 

参考:日本呼吸器学会HP(健康づくり推進部 青木 理恵 2023.10)