2022年8月 1日
動脈硬化は、全身に栄養を届ける血管の壁が厚くなり、血液がつまりやすく、血管が傷つきやすい状態のことを言います。自覚症状がなく徐々に進行し、心筋梗塞や狭心症、脳血管疾患などの病気の原因となります。肥満、高血圧、高血糖、脂質異常症の状態が重なることで、徐々に進行します。 近年、脂質異常症に関して、small dense LDL コレステロール(以下、超悪玉コレステロール)が動脈硬化を進める要因として注目されています。今回は超悪玉コレステロールと、それを増やさないための生活習慣改善について、ご紹介します。
コレステロールは、血液中に含まれる脂質のひとつ であり、細胞膜を作るほか、筋肉を作るホルモンの材料となります。肝臓から全身へコレステロールを運ぶのがLDL コレステロール(以下、LDL)で、血管内にある余分なコレステロールを肝臓へ戻すのがHDLコレステロール(以下、HDL)です。そのため、LDL が基準値を超えて増加すると、血管内に余分なコレステロールをため込み、血管の壁が厚くなり、動脈硬化が起こります。
LDL の大きさは1種類ではなく、そのうち小さいものが超悪玉コレステロールと呼ばれます。超悪玉コレステロールは、血液中に長く留まりやすく、小さいために血管の壁の中に入りやすく、動脈硬化を起こしやすいのです。 LDLが基準値内でも、超悪玉コレステロールが基準値を超えていると、動脈硬化のリスクが高いと言われています。
①禁煙する
LDLや超悪玉コレステロールが酸化されると心疾患や脳血管疾患を引き起こす毒性物質になります。 タバコは、LDL や超悪玉コレステロールを酸化する最も大きな要因です。タバコを吸っている方は、禁煙をしましょう。禁煙が難しい場合は、喫煙本数を減らすよう心がけましょう。
②減量して中性脂肪を減らす
超悪玉コレステロールは、中性脂肪とも関連しています。中性脂肪が増えると、超悪玉コレステロールも同時に増えます。中性脂肪は、食べ過ぎや運動不足により、余ったエネルギーが脂肪として体に蓄えられることで増加します。そのため、肥満の方は減量し、適正体重を維持しましょう。
③食べ過ぎに注意しましょう
1日3食、規則正しい食事を心がけ、主食・主菜・副菜をバランスよくとりましょう。間食や夜食は控え、飲食は就寝2~3 時間前までに済ませることで、肥満予防にもつながります。
④運動を心がけましょう
1日30 分以上、週3回以上、できれば毎日運動をしましょう。運動は、食後1~2 時間以内に実施すると効果的です。
*検査を受けましょう
当会の健診では、今年度より「血液ぷらす」にて、超悪玉コレステロールを測定することができます。
参考:sd-LDL どっとこむ
健康づくり推進部 菊地 香 2022.8)