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2021年11月 2日

健康トピックス

長時間労働による健康障害

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 平成30年に働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律が公布されました。労働者がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現するため、時間外労働の限度の設定等の措置を講ずることとされています。
長時間労働は、疲労回復に必要な睡眠・休養時間を減少させ、重大な健康障害を引き起こす可能性があります。

 今回は、長時間労働による健康への影響と、長時間労働による健康障害を防ぐ対処のヒントについてお伝えします。

長時間労働の健康影響

 長時間労働と関連する健康問題には、脳・心臓疾患(過労死)と精神障害・自殺、その他には胃十二指腸潰瘍、過敏性大腸炎、腰痛、月経障害や、事故・ケガ等があげられます。
長時間労働は、労働の負荷を大きくするだけでなく、睡眠・休養時間、家族生活・余暇時間の不足を引き起こし、疲労を蓄積させます。一方、長時間労働の背景には、仕事の成果の高い要求(業務量が多い、質的に高度な仕事)があり、精神的負担、仕事密度の増加をもたらして、疲労の蓄積の原因になります。その疲労が健康に影響します。(下図参照)

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長時間労働による健康障害を防ぐために

① 労働について

  • 週の労働時間が60時間以上になると、健康障害リスクが高まります。また、60時間未満でも、自分にとって労働時間が非常に長いと感じる場合や持病がある場合は、健康影響が出る可能性があります。いずれの場合も労働時間を短縮しましょう。

  • 労働時間を減らすのが困難な場合には、睡眠時間の確保と病気の治療の継続を最優先させましょう。家族の協力を得て、休日は睡眠・休養に時間を割きましょう。


  • 仕事の精神的負担が高い場合には、長時間労働の影響が強くなります。難しい問題を抱えている場合に、上司、同僚、友人、家族に話を聞いてもらうことは、問題を解決する1つの方法です。



② 生活習慣と健康管理について

  • 必要な睡眠時間には個人差がありますが、1日6時間以上の睡眠を取りましょう。昼間の強い眠気、疲労が続いたら、睡眠・休養を増やしましょう。

  • 喫煙は、脳・心臓疾患、がんのリスクを高めるので禁煙しましょう。

  • 家族・友人によるサポートは、特に精神的な健康を維持・増進する上で重要です。家族・友人との交流を心がけましょう。

  • ゆううつな気分やほとんどのことに興味が持てない状態が続いたら、うつ状態かもしれません。頭痛、めまい、手足のしびれ・脱力感、脈の乱れ、胸痛などが、脳・心臓疾患の予兆の可能性もあります。いずれの場合も、産業医、保健師、医療機関に相談しましょう。

  • 長時間労働では、忙しくて、健康管理がおろそかになりがちです。健康診断を必ず受診し、結果に応じて病気の治療を優先し、生活習慣病対策に取り組みましょう

参考:長時間労働者の健康ガイド 独立行政法人労働安全衛生総合研究所 厚生労働省HP
(健康づくり推進課 菊地 香 2021.11)