新潟ウェルネス - 健康診断と人間ドックの新潟県労働衛生医学協会

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2021年10月 1日

健康トピックス

健康に結びつく健康食品の使い方

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 健康食品を使用する目的は、第一に「健康になりたい」ということではないでしょうか。
上手な使い方は、「はじめの一歩」です。つまり、その健康食品の使用を食生活・生活習慣の改善につなげる使い方です。
 健康食品は体によいというイメージや過度な期待から、不適切な利用による健康被害の報告もあります。今回は健康食品等を活用するうえで注意したいことをご紹介します。

はじめの一歩につなげる使い方

 例えば、トクホの「体脂肪がつきにくい油」ですが、いくら食べても脂肪がつかないという意味ではありません。「食事管理」「運動」などを行った条件のもとで、通常の油とトクホ油を比べたらトクホ油を使った方が体脂肪がつきにくかったことから、トクホ(特定保健用食品)の表示が許可された食品です。
 食生活の乱れを見直さず、健康食品を使用しても期待する効果は得られません。まずは、日常の食生活を見直すことが大切です。「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを整えましょう」です。

 せっかくトクホを使うのだから、「油の摂取は控えよう」「運動も始めてみよう」「味噌汁は1日1杯にしよう」「野菜料理をもう1皿増やしてみよう」など、はじめの一歩を踏み出してみましょう。

健康食品の活用で注意したいこと

① 薬のような使い方をしない

医薬品ではありません。錠剤・カプセル状の健康食品は、その形状から薬の
ように思うかもしれませんが、医薬品とは全く別のものです。病気の治癒が
遅れたり、症状が悪化したりすることがあります。

② アレルギーに注意する

薬は医師や薬剤師からアレルギーを起こしたことがあるか確認され体質に合った薬を処方してもらえますが、健康食品は自己判断で購入するものなので注意しましょう。

③ 薬と併用しない

「薬+健康食品=とても健康によく、病気が早く治る」と考える方がいるかもしれませんが併用はやめましょう。健康食品の成分によっては、薬の効果が弱くなったり、副作用が強まったりする事例が報告されています。

④ いくつもの製品を同時に接種しない

「あの成分もいい、この成分もいい」と多種類の成分を同時摂取することは一見体によさそうに思いますが、人への作用が明らかにされていない物質を複数、自己判断で使用することになりますので注意が必要です。

⑤ たくさんとればよいというものではない

「健康食品は食品だからいくら食べても害がないし、薬と違って副作用もない」と考えるかもしれませんが、食品でも過剰摂取すれば有害なことが報告されています。錠剤やカプセル状の健康食品では栄養素の過剰摂取につながりやすいため注意が必要です。

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参考:厚生労働省、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所「健康食品の正しい利用法」
(健康づくり推進課 長嶋 信子 2021.10)