2021年9月 1日
がんは1981年以降、死因の第1位となり、現在3人に1人が、がんで亡くなっています。
また、生涯でがんに罹患するリスクは、男性で65.5%、女性で50.2%となっており、 2人に1人ががんにかかります。また、定年延長や女性の社会進出により、働き盛り世代のがん患者も増加しています。
がんは早期発見・早期治療により、治る病気になっています。今回は、早期発見のメリットを中心に、がん検診についてお伝えします。
がんは病期が早期であるほど、治る可能性が高くなります。がんの病期はO~Ⅳ期の5つに分類します。O期に近いほど、がんが小さくとどまっている状態、Ⅳ期に近いほど、がんが広がっている状態(進行がん)です。
右図は、がんの病期がⅠ期とⅣ期で発見された時の5年相対生存率を比較したグラフです。5年相対生存率は、がんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合が、日本人全体で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらいかで表します。100%に近いほど治療で生命を救えるがんであり、0%に近いほど治療で生命を救い難いがんであることを意味します。Ⅰ期で発見された時の5年生存率は80%を超えていることがわかります。
厚生労働省では、平成30年3月に、職域におけるがん検診の実施に関し参考となる事項を示した 「職域におけるがん検診に関するマニュアル」を策定しました。このマニュアルは、がんの早期発見の推進を図ることにより、がんの死亡率を減少させること等を目的に、職域においても科学的根拠に基づくがん検診が実施されるよう作成されました。受診機会を逃さずに、定期的にがん検診を受けましょう。
そのため、早期発見・早期治療につなげるがん検診を受診することが大切です。
厚生労働省では科学的根拠に基づき、死亡率減少効果が認められるがん検診を推奨しています。推奨しているがん検診は下記の通りで、健康増進法に基づき、市町村が実施しています。
検診名 | 検査項目 | 対象年齢 | 受診間隔 |
---|---|---|---|
胃がん | 問診に加え、胃部エックス線検査又は胃内視鏡検査 | 50歳以上の者 *当分の間、胃部エックス線検査については40歳以上に対し実施可 |
原則として、2年に1回 *胃部エックス線検査については年1回実施可 |
子宮頸がん | 問診、視診、子宮頚部の細胞診及び内診 | 20歳以上の女性 | 原則として、2年に1回 |
肺がん | 質問(問診)、胸部エックス線検査及び喀痰細胞診 *喀痰細胞診は、50歳以上で喫煙指数(1日本数×年数)が600以上であることが判明した者 |
40歳以上の者 | 原則として、1年に1回 |
乳がん | 問診及びマンモグラフィ検査 | 40歳以上の女性 | 原則として、2年に1回 |
大腸がん | 問診及び便潜血検査 | 40歳以上の者 | 原則として、1年に1回 |
厚生労働省では、平成30年3月に、職域におけるがん検診の実施に関し参考となる事項を示した「職域におけるがん検診に関するマニュアル」を策定しました。このマニュアルは、がんの早期発見の推進を図ることにより、がんの死亡率を減少させること等を目的に、職域においても科学的根拠に基づくがん検診が実施されるよう作成されました。
受診機会を逃さずに、定期的にがん検診を受けましょう。
参考:がん対策推進企業アクションHP
(健康づくり推進課 菊地 香 2021.9)