2021年8月 3日
平成29年に厚生労働省が実施した患者調査によると、日本の高血圧症疾患の総患者数は約993万人で、成人人口の10%近くの人が治療を受けています。
高血圧は自覚症状が出にくく、気づかないうちに心筋梗塞や脳出血、脳梗塞などを引き起こすリスクが高くなりますので、予防をすることが大切です。
血圧は気温によって変動するといわれており、夏は外気温と室内の温度に差があり、血圧の変動もおきやすいため注意が必要です。今回は、夏の高血圧を予防するための生活習慣をご紹介します。
血圧とは、心臓から全身に送りだされた血液が血管の壁を押すときの圧力のことです。
心臓が収縮して血液を押すときの最も高い血圧が収縮期血圧(上の血圧)、拡張して血液の流れが緩やかなときの最も低い血圧が拡張期血圧(下の血圧)です。
高血圧とは、その名の通り血圧が高い状態のことです。高血圧治療ガイドラインでは、高血圧は収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上とされています。
血圧が上がる要因には、肥満、運動不足、塩分の過剰摂取(男性7.5g以上/日、女性6.5g以上/日)、野菜不足、喫煙、多量飲酒、ストレスなどがあります。
夏に血圧を上げない又は下げるための生活習慣の改善ポイントをご紹介します。
① 減塩を意識しましょう
夏は、冷たい麺類やスポーツドリンクなど、塩分・糖分を多く含む飲食物をとる機会が増えます。
麺類を食べる際には汁を残し、つゆのかけすぎやつけすぎには注意しましょう。また、スポーツドリンクは運動をするときや屋外で活動するときに飲みましょう。
② 積極的に野菜や果物を摂りましょう
夏は、そばや素麺など単品の食事により、野菜をとる機会が少なくなりがちです。
野菜や果物には、体内の余分なナトリウム(塩分)を排出してくれる働きがあります。野菜、果物、豆類、海藻などを積極的に摂るようにしましょう。
野菜は1日350g(生野菜は両手3杯分、温野菜は片手3杯分)、果物は1日200g(りんご半分程度)が目安量です。
③ 適正体重を維持しましょう
夏は、アイスや冷たいジュース・炭酸飲料などをとる機会が増え、カロリーの取りすぎにつながる可能性があります。間食のとりすぎ・食べ過ぎに注意し、定期的に体重を測りましょう。
④ 節酒または休肝日を作りましょう
暑い日はビールが美味しく感じ、飲む量が増えてしまうかもしれません。過度な飲酒は血圧を上昇させます。ノンアルコール飲料を活用するなど、適量の飲酒を心掛け、週1~2日の休肝日を作りましょう。
男性の適量の目安は、ビール500ml、日本酒180ml(1合)、焼酎90ml、ワイン180ml、ウイスキー60ml以下であり、女性はこの半分です。
⑤ 適度な運動をしましょう
夏は暑くて運動量が減る傾向があります。1回15~30分の有酸素運動を1日1~2回、できれば毎日、少なくとも1週間に3日以上の頻度で行うと効果的です。
暑い日は30分の運動を10分×3回に分ける、早朝や夕方など涼しい時間帯に運動する、または家事仕事など日常生活での身体活動量を増やす、自宅で取り組める運動をするなど、工夫しながら行いましょう。
参考:へるすあっぷ21
(健康づくり推進課 田巻 望 2021.8)