2021年5月12日
歯周病は、むし歯と共に、日本人が歯を失う原因の80%以上を占めています。
歯周病は、私たちの普段の生活習慣が原因で起こる、「生活習慣病」の1つです。放っておくと、脳や心臓の血管を傷つけるなど、命の危険にも関与します。
国の調査では、15歳以上の約70%以上に、歯周病が疑われる症状がありました。
今回は、歯周病を正しく理解し、きれいな歯を保つための方法をご紹介します。
歯周病は、感染症の一種であり、歯周病菌の感染によって引き起こされます。
歯周病菌は、歯周ポケット(歯と歯肉の境目)で増殖し、清掃が行き届かないことで歯垢として蓄積されます。歯垢のまわりでは歯茎の炎症(歯肉炎)が起き、初期症状として歯茎の腫れや少量の出血が現れます。虫歯と異なり痛みが出ないことが多いので、知らないうちに進行し、歯を支える土台である歯槽骨が溶け(歯周炎)、歯が抜け落ちるほど重症化することがあります。
歯肉炎などで傷ついた歯茎から、歯周病菌が血液中に侵入することがあります。血液に入った歯周病菌は、毒素を放出し、血管を傷つけます。進行すると、血管がもろく、つまりやすい状態である動脈硬化となり、脳心血管疾患の原因となります。
また、血糖値を下げる働きをもつホルモン(インスリン)の働きを阻害し、糖尿病を悪化させることもわかっています。
参考:健康にいがた21
(健康づくり推進部 宗村 綾香 2021.5)