2021年4月20日
新年度に入り、新たな目標等に向かってスタートする大事な時期ですね。みなさんは健康診断やがん検診、人間ドック(以下、健診)を受けていますか。そして、健診の結果はきちんと確認していますか。健診は、働く人の健康を守るための大事なものです。検査結果は、みなさんの身体からの大事なサインです。今回は、健診の必要性と精密検査の必要性についてお伝えします。
厚生労働省による平成30年の業務上疾病発生状況等調査によると、業務上疾病は年間8,684件発生しています。業務上疾病には、負傷による疾病や、電離放射線や有害光線による疾病等の物理的因子による疾病、振動障害等の作業態様に起因する疾病、がん、脳血管疾患や心疾患等の過重な業務による疾病、精神障害等があります。
健診は、こういった業務上疾病の予防、早期発見、生活習慣病等を念頭に置いた健康状態の把握をします。また、健診の結果による労働者の適正配置などに役立ちます。労働者の健康を守るために労働安全衛生法に基づいて行われています。そのため、労働者は健診を受ける義務があります。
疾病の予防や早期発見、早期治療のためには、健診を受けるだけでなく、結果に従った行動をとることが大切です。健診結果が手元に届いたら、必ず結果を確認しましょう。結果は総合判定からみていきます。
総合判定は、実施した検査項目のうち、一番重い判定を反映しています。各検査項目の数値が以前と変化していないかを確認することも重要です。
当会の判定区分 | 判定コメント |
A | 今回の検査では、異常ありません。 |
B | わずかに所見はみられますが、日常生活に差し支えありません。 |
C | 生活習慣を改善し、約3か月後に再検査を受け、経過を観察してください。 |
D2 | 医療機関で早めに精密検査を受けてください。 |
D1 | 医療機関で早めに指導・治療を受けてください。 |
E | 治療中の方は、引き続き医師の指導を受けてください。 |
健診の結果、C、D2、D1、Eの判定だった方は、どの検査項目でその判定が出ているのかを確認し、結果をそのままにせず、再検査や精密検査、医療機関の受診や治療、医師の指導を受けることが大切です。治療中の方は、健診・ドックの結果を主治医に確認してもらいましょう。
参考:労働安全衛生法
(健康づくり推進課 菊地 香 2021.4)