2020年9月 7日
健康トピックス
こころの病気を予防するために
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適度なストレスは、集中力ややる気を高め、自分の持てる力を発揮するための「人生のスパイス」といわれています。一方、過度のストレスは、心身の不調をきたし、こころの病に至る場合があります。ストレスが原因で病気を発症しないためには、自分のストレスに気付いて早めに対処をすることが重要です。
今回は、自分のストレスに気付くためのサインと、ストレスの対処法についてご紹介します。
ストレスのサインを知る
ストレスがたまってくると、こころや体や行動に色々なサインが出てきます。主なストレスのサインは以下の通りです。このようなサインを放っておくと、うつ病などこころの病気を引き起こしてしまうことがあります。こころの病気を引き起こさないためには、自分のストレスのサインに気づき、早めにストレスに対処することが大切です。
《こころのサイン》
- 悲しみ、憂うつ感
- 不安感、イライラ感、緊張感
- 無気力、やる気が出ない
《体のサイン》
- 食欲がなくなる、やせてきた
- 寝つきが悪い、朝早く目が覚める
- 動悸がする、血圧が上がる、手や足の裏に汗をかく
《行動のサイン》
- 消極的になる、周囲との交流をさけるようになる
- 飲酒、喫煙量が増える
- 身だしなみがだらしなくなる、落ち着きがない
ストレスの対処法
① 規則正しい生活を送りましょう日頃から規則正しい生活習慣を保ち、適切な食事、運動、睡眠など日々心がけることが大切です。生活リズムが乱れると、体内時計に狂いが生じて自律神経機能や免疫機能に悪影響を及ぼし、ストレスに対する抵抗力が弱まります。
② オンとオフを切り替えましょう仕事や家事などやらなければならないことをする時間をオンの時間、それ以外の時間をオフと捉え、気持ちを切り替えて、緊張状態から解放される時間を持つことが大切です。
- 1日のなかでできるだけ自分の時間を持つ
- 仕事以外の楽しみや生きがいとなる時間を持つ
- 旅行に出かけ気持ちや考えを切り替える
- 自然とふれあいリフレッシュする など
③ 考え方を切り替えてみましょう
人にはそれぞれ、考え方にクセがあります。それが、「その人らしさ」でもありますが、時には思い込みとなってイライラや不安を生み出す原因にもなります。例えば、仕事がうまくいかなかった原因を過度に自分に求め、失敗した状況が今後もずっと続くと考えてしまうことはありませんか?このような時は、別の視点から状況を眺め直してみましょう。
- 「できなかったこと」ではなく「できていること」に目を向けて1~100点で評価してみる。
- 「本当に毎回そうだろうか?」、「例外はないだろうか?」と自分に問い直してみる。など
④ 周囲の人に相談しましょう 家族、友人、上司や同僚など周囲の人に相談し、情緒的なサポートや実務的なサポートを求めることも有効です。普段から気軽に相談できる相手や、信頼のおける人と良好な
人間関係を築いておくよう心がけましょう。
- 情緒的なサポート: 話を聞いてくれる、励ましてくれる、共感してくれる、安心できる
- 実務的なサポート: 仕事の援助・補助をしてくれる、具体的なアドバイスをしてくれる
⑤ 受診をするこころの病気を扱う診療科には、一般的には心療内科、精神科があります。
※上記で紹介したようなストレスのサインが2週間以上続く場合は、うつ病などのこころの病気が疑われますので、一人で抱え込まず早めに受診しましょう。
参考:みんなのメンタルヘルス 厚労省HP
(健康づくり推進課 関口郷子 2020.9)