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2020年8月 5日

健康トピックス

食中毒を予防しよう ~楽しい食生活を守るために~

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 食中毒は、原因となる細菌ウイルスなどが食べ物と共に、体内へ侵入することによって発生します。細菌やウイルスの他、毒キノコやフグなどの「自然毒」、アニサキスなどの「寄生虫」なども、食中毒の原因になっています。今回は食中毒の予防についてご紹介します。

主な食中毒の原因

細菌

 細菌は、温度や湿度などの条件がそろうと食べ物のなかで増殖し、その食べ物を人が食べることにより食中毒を引き起こします。
 食中毒菌が食べ物の中で増えていても、「味」「におい」「色」も変わりません。腐敗とは異なるからです。
 ◆時期:夏場に多く発生します
 ◆代表的な細菌
  腸管出血性大腸菌、
  カンピロバクター、サルモネラ属菌

ウイルス

 ウイルスは細菌のように食べ物のなかでは増殖しませんが、食べ物を通じて人の体内に入ると腸管内で増殖し、食中毒を引き起こします。
 ◆時期:冬場に多く発生します
 ◆代表的なウイルス
  ノロウイルス
 調理者から食品を介して感染する場合と二枚貝に潜んでいることもあります。食中毒患者数の5割以上を占めています。

食中毒の予防

予防の原則

① つけない
 食品を扱う時は、まず手洗いをし、生の肉や魚を切ったまな板から、加熱しないで食べる野菜などへ菌が付着しないように、使用の都度、きれいに洗い、できれば殺菌しましょう。また、生の肉と焼けた肉の箸を使い分けることなどにより、細菌を「つけない」。
② 増やさない
 細菌の多くは、高温多湿な環境で増殖が活発になりますが、10℃以下では増殖がゆっくりになり、マイナス15℃以下では増殖が停止します。生鮮食品やお惣菜などは、購入後、できるだけ早く冷蔵庫に入れることで、細菌を「増やさない」。
③ 持ち込まない・ひろげない
 持ち込まない・ひろげない:調理場全体にウイルスを「持ち込まない」、食べ物や調理器具に「ひろげない」ことが重要です。
④ やっつける
 ほとんどの細菌やウイルスは、加熱によって死滅します。特に肉料理は、中心までよく加熱することが大事です。中心部を75℃で1分以上加熱することで「やっつける」。

適切な手洗い

 手洗いの目的は、流水で石鹸を使い、食中毒細菌やウイルスを取り除くことです。爪は短く切り、指輪や時計は、はずして手を洗いましょう。

◆タイミング◆ 

  • 調理を始める前
  • 生の肉や魚、卵などを取り扱う前後
  • 調理の途中でトイレに行ったり、鼻をかんだ後
  • おむつの交換、動物に触れた後
  • 食卓につく前
  • 残った食品を扱う前

◆洗い残しが多い部分は意識して◆

  • 指先
  • 指の間や指の股
  • 爪と皮膚の間(爪の裏側)、爪と甘皮の部分
  • 手のひらのしわ
  • 親指のつけ根のふくらみ

※手洗いの方法は、厚生労働省動画 YouTube「ノロウイルス等の食中毒予防のための適切な手洗い」を参考にしてください。

 食中毒は、さまざまな原因物質によって一年中発生しています。主に下痢、嘔吐などの急性胃腸炎の症状が現れますが、ときには生命に関わることもあるので油断のできない病気です。食中毒が疑われる場合は、早めに受診しましょう。

参考:厚生労働省 食中毒を防ぐ3つの原則・6つのポイント
(健康づくり推進課 長嶋信子 2020.8)