2020年2月 3日
気温が下がり空気が乾燥し、乾燥肌になりやすいこの季節、かゆみなど肌トラブルに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そこで、今月は乾燥肌とその予防法についてご紹介します。
乾燥肌とは、皮膚の角層と呼ばれる部分の水分量が低下し、肌が乾燥した状態をいいます。加齢に加え、空気の乾燥や寒冷、摩擦などの刺激、紫外線の影響、洗いすぎなど、様々な要因が絡み合って起こります。
女性はとくに30歳代後半から皮脂の分泌が減少し、乾燥しがちになります。高齢者も皮脂や発汗量が減少し、皮膚が薄くなるため、乾燥しやすくなります。
乾燥肌では、皮膚のつっぱり感やかさつき、粉吹き、かゆみなどの症状がみられます。
アレルゲンなどの侵入や外部刺激から肌を守っている角層から水分が奪われると、細胞と細胞の間に隙間ができ、さらに水分が蒸発し、外からの刺激に敏感になり、かゆみが起こります。
シニア世代では加齢に伴う乾燥肌に、湿度の低下という環境の変化が加わると、かゆみが出やすくなります。かゆみは皮脂分泌の少ない部分や、衣類で擦れやすい部分に起こります。
しつこいかゆみは、イライラや不眠など生活の質の低下を招いたり、皮脂欠乏性湿疹の原因にもなります。
① 保湿・補湿
保湿剤を正しく使って、角層を整えることが大切です。保湿剤は1日1回たっぷり塗るよりも、朝とお風呂上がりなど、1日2回塗る方が効果的です。
角層をカバーし水分喪失を防ぐ「保湿」には油分が多い軟膏やオイルが向いています。シニアの場合は「保湿」よりも、角層に水分を補う「補湿」が重要です。「補湿」にはローション・乳液・クリームなどが向いていますが、冬の乾燥にはクリームがお勧めです。また、軽い乾燥に軟膏やオイルを塗り続けると、皮膚からの皮脂の分泌が低下してしまうため、逆効果です。皮膚を甘やかさないことも大切です。
② 温度・湿度
暖房の温度は低めに設定し、加湿器で湿度を上げましょう。室温は17~22℃前後、
湿度は40~60%程度が目安です。こたつや電気毛布も皮膚の水分を奪うため、
長時間の使用には注意しましょう。
③ 入浴・洗髪
熱い湯に長く浸かると、皮脂が失われるため、お風呂の湯温はぬるめに設定し、長湯は避けましょう。石鹸は十分に泡立て、ゴシゴシこすらないようにしましょう。シャンプーは使用量が多すぎると皮脂の落としすぎになるため、少量で2度洗いがお勧めです。指の腹でやさしくこすりましょう。
④ 衣類・寝具
けばだった衣類や寝具が皮膚に触れると、かゆみが起こることが多いため、
なめらかな素材のものを選びましょう。
※日常的なケアで改善がみられない場合や、乾燥やかゆみが強い場合には医療機関(皮膚科)を受診し、適切な指導や治療を受けるようにしましょう。
参考:厚生労働省『NHKテキストきょうの健康2019年10月号』
(健康づくり推進部 上松 容子 2020.2)