2019年12月18日
健康トピックス
肝機能について
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肝臓の病気を発症すると、肝臓に炎症が起こり、肝臓の働きが低下します。しかし、肝臓には痛みを感じる神経がないため、多くの場合、病気がかなり進行しないと症状が現れません。
肝臓の病気を早期に発見するためには、定期的に健康診断を受け、血液の肝機能検査で自分の肝臓の状態を把握することが大切です。
肝臓の働き
肝臓は、重要な働きをいくつも担っているため、体の中の『化学工場』とも呼ばれています。肝臓の主な働きには次のようなものがあります。
- 解毒する・・・アルコールやアンモニアなどの身体に有害な物質や老廃物を、無害な物質や水に溶けやすい形にして、尿中などに排出させます。
- 栄養素の加工や貯蔵をする・・・体のエネルギー源となるブドウ糖を、体内に貯蔵できる形(グリコーゲン)に加工して貯蔵します。体内でエネルギーが必要になると、グリコーゲンを再びブドウ糖に変換し、血液中に戻します。
- 消化を助ける・・・脂肪の消化や吸収を助ける胆汁を作ります。
- 体温の調節をする・・・必要に応じて、肝臓内に大量の血液を循環させ、血液量を調節することによって体温を維持します。
肝機能の血液検査の結果の見方
健康診断で受けられる肝機能検査には、AST、ALT、γ-GTPの3項目があり、血液検査で調べます。いずれも肝臓の細胞が壊れると、これらの酵素が血液中に流れ出るため、数値が高くなります。
検査の結果、1つでも基準値より高い値があると、「肝機能異常」と診断されます。
生活習慣改善のポイント
肝臓の働きは、日頃の生活習慣に左右されやすく、肝機能異常を予防するためには、食べ過ぎに注意し肥満を防ぎ、バランスの良い食事をとりましょう。さらにアルコール飲料を適量にし、そして適度の運動を行うことが基本となります。
- 腹八分目が大切です
食べた物の多くがエネルギーとして消費され、肝臓に脂肪がたまりにくくなります。
- 甘いものは控える
甘いものをとり過ぎると体に脂肪がつきやすくなります。飲み物は水、緑茶、麦茶など無糖のものを選ぶようにしましょう。
- 夜の食事は控えめに
1日3食を守り、特に朝はしっかり食べる。夜に食事を多くとると、エネルギーを消費しきれず、肝臓に脂肪がたまりやすくなります。夕食は控えめにし、夜食はとらないようにしましょう。
- アルコール飲料の適量とは
男性においては、1日酒(15%)1合未満、ビール(5%)500ml、ウィスキー(40%)60mlです。女性の場合は、男性の約半分量になりますのでご注意ください。
- 有酸素運動を日常生活に取り入れる
ウォーキングや自転車こぎなどのほか、普段から意識して「速歩き」をするなど、日常生活のなかに運動の習慣を取り入れるようにしましょう。
参考:厚生労働省『NHKテキストきょうの健康2019年11月号』
(健康づくり推進部 関口 郷子 2019.12)