2019年4月26日
近年、健康増進法の改正や受動喫煙防止条例が制定され、病院や行政機関で敷地内禁煙や、飲食店でも店内禁煙などたばこを吸える場所が少なくなってきました。たばこが健康によくないということは多くの方が知っていますが、たばこを止められない方もまだ多くいます。今回は周囲に健康の影響を及ぼす受動喫煙についてご紹介させていただきます。
受動喫煙とは、文字通り「受け身」の喫煙です。自分がたばこに火をつけて直接吸うものではなく、他人の吸っているたばこの煙を間接的に吸ってしまうことによる喫煙のことです。
たばこの煙には4000種類以上の化学物質が含まれており、その中には有害物質が200種類以上あります。そのうち、ニコチン、発がん性物質を含むタールおよび一酸化炭素は三大有害物質と呼ばれています。
受動喫煙によって年間約1万5千人の方が死亡しているといわれ、深刻な問題になっています。
受動喫煙によって成人の場合、肺がんや虚血性心疾患・脳卒中の危険性が高くなります。子供の場合、喘息や中耳炎、乳幼児突然死症候群などが報告されています。また、妊婦の場合は低体重児や早産の危険性が上昇します。
成人の場合
小児の場合
妊婦の場合
周囲の大切な人々や家族、子供たちに受動喫煙をさせないためには、たばこを吸っている人々が全面的に禁煙することが必要であり、それ以外に方法はありません。このため、禁煙の方法についていくつかご紹介します。
①禁煙開始日を設定する
カレンダーに印をつける
禁煙する目的を書き出してみる
禁煙宣言書を作る
②吸いたい気持ちの対処法を練習する
口さみしいときには、水やお茶を飲む、ガムを噛む
イライラしたときに深呼吸をする、運動をする
食事のあとはすぐ歯磨きをする
③お薬や禁煙外来を活用する
禁煙補助剤(ニコチンガム、ニコチンパッチなど)
禁煙外来:新潟県の禁煙外来は「健康にいがた21」のホームページから探すことができます。参考にしてみてください。
参考:厚生労働省HP『e-ヘルスネット情報提供』『禁煙支援マニュアル』
(健康づくり推進部 横山 理恵 2019. 5)