新潟ウェルネス - 健康診断と人間ドックの新潟県労働衛生医学協会

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2018年11月27日

健康トピックス

アルコールによる健康障害と予防方法について

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アルコールはストレスを和らげたり、気持ちをリラックスする効果があります。しかし、飲み過ぎると肝臓と膵臓をはじめ、全身に影響を及ぼします。今回はアルコールを飲むことで身体にどのような影響があるのか、またアルコールによる健康障害を起こさないための予防方法について紹介します。

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アルコールの分解

口から入ったアルコールは、胃から20%、小腸から80%吸収され全身へいきわたります。アルコールの大部分は肝臓で分解され、酢酸となり、酢酸は筋肉組織などへと運ばれて水と炭酸ガスに分解され、体外へ排出されます。口から入ったアルコールの2~10%は、そのままのかたちで呼気、尿、汗として排出されます。

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アルコールによる健康障害

(1) 急性アルコール中毒
飲酒により、意識レベルが低下し、嘔吐・呼吸状態が悪化するなど危険な状態で、死亡に至るケースも毎年発生しています。

(2) 肝臓病
脂肪肝→アルコール性肝炎→肝硬変・肝臓がんと進行します。

(3) すい臓病
急性膵炎と慢性膵炎に分類されます。急性膵炎の最も多い症状は、我慢できないほどの激しい腹痛です。重症化すると命に関わる状態になってしまいます。

(4) 痛風・高尿酸値血症
これらの原因のほとんどは、アルコールの飲み過ぎです。

(5) メタボリックシンドローム
メタボリックシンドロームに関係する高血圧症・脂質異常症・高血糖にはお酒の飲み過ぎが関与している場合が少なくありません。

(6) うつ・自殺
ストレスを感じると、お酒を飲むことによって解消しようとします。お酒からさめたとき、逆に不安・抑うつをさらに感じるようになります。さらに、アルコール依存症にはうつ病を合併する頻度が高く、自殺のリスクが高まります

(7) 認知症
大量飲酒をする人は脳の委縮が高い割合でみられ、認知症になりやすくなります。

(8) がん
食道・頭頸部、乳房、直腸・結腸、肝臓、膵臓などのがんの発症率が高くなっています

アルコール飲料の適量

男性における1日の飲酒の適量は、それぞれビール500mL、日本酒180mL、焼酎90mL、ウイスキー60mL、ワイン180mL以下です。女性の適量は男性の約半分です。

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健康を守るための12飲酒のルール

①飲酒は1日の適量以下に
②女性・高齢者は少なめに
③赤型体質の方(少量の飲酒で顔の赤くなる方)も少なめに
④たまに飲んでも大酒しない
⑤食事と一緒にゆっくりと
⑥寝酒は極力控えよう
⑦週に2日は休肝日
⑧薬治療中の人はノーアルコール
⑨入浴・運動・仕事前はノーアルコール
⑩妊娠・授乳中はノーアルコール
⑪アルコール依存症は生涯断酒
⑫定期的に検診をする

これらのルールを守って、より健康的に過ごしましょう!

参考:公益社団法人 アルコール健康医学協会HP
( 健康づくり推進部 横山 理恵 2018.12)

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