2017年12月 4日
脳梗塞は、脳卒中と総称される病気の1つです。脳卒中には、脳梗塞のほかに、脳出血、くも膜下出血があります。最も多いのは脳梗塞で、脳卒中全体の約6~7割を占めています。
脳梗塞は、脳の血管が詰まるために起こる病気です。脳の神経細胞に十分な血液が供給されなくなり、意識、運動、感覚などの障害が起こります。
脳梗塞発症後24時間は、脳の神経細胞の障害される範囲が急速に広がります。発症2時間の障害範囲は、4時間後には約5倍、24時間後には9倍近くに広がります。一度脳の神経細胞が壊死してしまうと、原則として元には戻りません。そのため、脳梗塞の治療は時間との闘いであると言われています。
脳梗塞の治療最前線として、発症後4.5時間以内に血栓(血のかたまり)を溶かす血栓溶解療法や、発症後8時間以内にカテーテル挿入により血栓を取り除く血管内治療が挙げられます。これらの治療により、後遺症が残らずに回復したり、後遺症が残っても社会復帰できたりする患者さんの割合が増加しています。脳梗塞が起きたことに早く気付き、1分でも早く専門機関(神経内科や脳神経外科など、脳卒中の専門医がいる医療機関)に到着することは最良の治療につながります。
脳梗塞を予防するためには、動脈硬化(動脈の血管壁に血液中のコレステロールなどが沈着し、血管の中が狭くなったり、詰まりやすくなったりする状態)を予防することが大切であり、そのためには生活習慣の改善が大前提です。
参考:NHKテキストきょうの健康 2016年11月号
公益財団法人 循環器病研究振興財団HP
日本動脈硬化学会 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版
(健康づくり推進部 丸山 要子 2017.12)