2017年9月22日
使い捨てコンタクトレンズ(以下CL)の普及により使用者が急増したことに伴い、CL眼障害が増え、10人に1人が眼障害を生じていると推測されています。CLは「高度管理医療機器」に分類され適正な管理が必要とされていますが、誤った装用などによる眼障害も増えています。今回はCLによる眼障害についてご紹介します。
CLは、涙の表面張力で角膜に密着させ、視力を矯正するレンズです。材質により、「ハード(HCL)」と「ソフト(SCL)」があります。CLは角膜の表面を覆うため、酸素不足が起こりやすく、またSCLではレンズ表面から水分が蒸発し、ドライアイになりやすいといわれています。
医師の処方なしでの購入、定められている装用ルールを守らない、不適切なレンズケアなどにより、以下のようなCL眼障害が起こりやすくなります。主な原因は、角膜の酸素不足、細菌・アメーバ等の感染、レンズの汚れ・劣化、レンズエッジ(端)の機械的刺激、アレルギー、ドライアイなどです。
点状表層角膜症
コンタクトレンズ障害の中で、最も頻度の高いものです。角膜は上皮、実質、内皮からなっています。点状表層角膜症は、その角膜の上皮層に小さな傷が付いている状態です。
角膜内皮障害
最近、注目されている重症のコンタクトレンズ障害です。
まったく自覚症状が現れないまま、角膜の内側を構成する細胞(角膜内皮細胞)が少しずつ脱落減少していきます。
角膜浸潤・角膜潰瘍
角膜浸潤は、角膜に傷ができて角膜上皮および実質に炎症を起こしている状態です。さらに悪化すると、角膜潰瘍に至ります。角膜浸潤や角膜潰瘍は、コンタクトレンズ障害の中でも最も重く、ときには失明につながります。特に角膜潰瘍は、傷が治っても角膜が白く濁り、視力が著しく低下します。
参考:日本眼科学会HP目の病気 コンタクトレンズ障害より
( 健康づくり推進部 源氏 富貴子 2017.10)