2017年7月27日
慢性腎臓病(CKD)とは、腎臓の働きが少しずつ低下していく病気の総称です。1つの病気ということではなく、腎臓の働きを低下させる病気をまとめて、慢性腎臓病(CKD)と呼んでいます。
日本では約1,330万人がCKDと推計されており、これは成人の約8人に1人にあたり、新たな国民病とも言われています。
CKDの発見には、尿検査と血液検査が必要です。
尿検査では、尿たんぱくを調べます。血液にはたんぱくが含まれていますが、腎臓が正常ならほとんど尿に出ません。検査結果は「-」「±」「1+」「2+」「3+」と表記されます。「1+」以上であれば、CKDの可能性があります。
血液検査では、血清クレアチニンを調べます。クレアチニンは筋肉の代謝産物で老廃物の一種です。腎臓が正常なら尿に排出されますが、腎臓の働きが低下すると排出される量が減り、そして血液内にとどまる量が増えます。この血清クレアチ二ン値から、GFR(糸球体が血液をどの程度ろ過しているかを表す数値)を推算し(eGFRという)、これが60ml/分未満(腎臓の働きが正常の60%未満という意味)の場合、CKDが疑われます。
CKDの危険因子には、メタボリックシンドローム、高血圧、糖尿病、高尿酸血症などの生活習慣病として知られている病気が挙げられます。また、加齢や喫煙、食塩の過剰摂取、過度の飲酒などの生活習慣の乱れも大きな影響を及ぼします。
CKDの原因となる糖尿病や高血圧は、全身の血管を障害します。さらに、腎臓の働きが低下すると、体に老廃物がたまり、血圧も上がります。それによって心筋梗塞や脳卒中の発症率が上がり、認知症を発症する危険性も高まります。
◇適正体重を維持しましょう。
毎日、同じ条件下で体重測定し、記録しましょう。
◇減塩に努めましょう。
◇家庭で血圧を測定し、記録しましょう。
◇健康診断・人間ドックなどを定期的に受けて、CKD及び生活習慣病の早期発見に努めましょう。
参考:NHKテキストきょうの健康 2016年12月号
にいがた減塩ルネサンス運動 新潟県HP
CKDの発症予防・早期発見・重症化予防に向けた提言 日本腎臓学会平成28年3月
( 健康づくり推進部 丸山 要子 2017.8)