2021年2月12日
2021/02/12
(一社)新潟県労働衛生医学協会
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当会では、健康診断受診時のオプション検査の1つとして、新型コロナウイルス抗体検査を実施しております。
抗体検査とはウイルス感染後に体内で作られるたんぱくを測定する検査で、過去に感染があったかどうか確認することが出来ます。
2021年2月5日、厚労省は2020年12月に実施した5都府県(東京都、大阪府、愛知県、福岡県、宮城県)の1万5043人を対象とした新型コロナウイルス抗体検査の結果を発表しました。そこで、当会受診者と5都府県での抗体保有(陽性)者の割合を比較しました。
当会の対象者は2020年6月26日から2021年1月29日までに健康診断時に新型コロナウイルス抗体検査を希望し実施した方、1,540名(男性1,069名、女性471名)です。判定は厚労省の判定と同様、ロシュ社の検査試薬で陽性、アボット社の検査試薬でも陽性となった場合のみ、抗体保有者と判定しました。
当会受診者と厚労省が実施した5都府県の抗体保有者の割合です。
他の地域に比べ、新潟県の抗体保有率は圧倒的に低い結果となっています。抗体の保有率の低さは無症状感染を含め、感染者の少ないことを表しておりますが、同時に、引き続き感染対策を徹底していくことの重要さも示しております。
都道府県 |
検査人数(人) |
保有者数(人) |
保有率(%) |
新潟県 |
1,540 |
1 |
0.07 |
東京都 |
3,399 |
31 |
0.91 |
大阪府 |
2,746 |
16 |
0.58 |
愛知県 |
2,960 |
16 |
0.54 |
福岡県 |
3,078 |
6 |
0.19 |
宮城県 |
2,860 |
4 |
0.14 |
まもなく感染予防のためのワクチン接種が開始されます。ワクチンを接種することにより、感染後と同様に体内で抗体が作られるため、抗体の保有者は増加するものと思われます。
2021年4月より当会の新型コロナウイルス抗体検査は、抗体の量を測定する検査方法に変更します。保有している抗体の量を確認することは、ワクチン接種の効果を確認できると共に、定期的に測定することで抗体量が減少していないかどうかの確認もできます。
新型コロナウイルス感染症の終息はまだ見えていません。これまでの感染対策に抗体量の確認検査を追加していただき、感染予防にお役立ていただきたいと考えております。
(一社)新潟県労働衛生医学協会
臨床検査部 松田和博・田中一成
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