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2020年7月 7日

イベント・ニュース

長い自粛生活(ステイホーム)が健康診断データに及ぼす影響について

2020/07/07
(一社)新潟県労働衛生医学協会
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新型コロナウイルス、怖いのは感染だけ?
~長い自粛生活(ステイホーム)が健診データに及ぼす影響を調査~

 最近健康診断を受けられて、「あれ!?いつもより数値が高いな!」と思った方はいらっしゃいませんでしたか。緊急事態宣言発令による長い自粛生活(ステイホーム)で私たちの「健康」はどのような影響を受けていたのでしょうか。それを確認するため当会はステイホーム明けの2020年5月に人間ドック・定期健診を受診された28,869名のうち、2018、19年も継続して受診された4,634名を対象にステイホームが健診データに及ぼす影響を調査しました。

血圧・血清脂質・肝機能など多くの項目が高値に

 ステイホームが明けた2020年5月の受診者の検査値を前年と比較し、その差を%で表しました。

 男性・女性共に多くの項目で平均値が高値を示しているのが分かります。

最も影響が大きかった項目は「中性脂肪」「ALT(肝機能)」

 最も影響の大きかった中性脂肪・ALT(肝機能)の平均値の経年変化を示しました。2018、19年の平均値と比較し、男性・女性共に2020年において平均値が高値を示しているのが分かります。

検査の異常率からみたステイホームの影響

異常率の経年変化.PNG

 2020年5月では2018、19年に比較して多くの項目で異常率の割合が増加しており、中でも血圧、脂質項目、肝機能項目が高く推移しているのが確認されました。 緊急事態宣言発令によるステイホームは多くの健診データに影響を与えているようです。緊急事態宣言解除後も外出の自粛やテレワークなど、ストレスや運動不足から生活習慣に影響を与える可能性が示唆されました。  自身の健康状態を把握するためにも健診を早めに受診して頂きたいと考えております。

ステイホームと健診における検査値の異常について、専門医からの見解

新潟大学大学院生活習慣病予防・健診医学講座
特任教授 加藤公則

 2020年4月18日付けで、日本運動疫学会より声明が出ており、「本運動疫学会は、新型コロナウイルス感染症対策における外出自粛の要請にともなう身体活動不足や座りすぎによる健康被害を防ぐために、「家の中やその周辺において 人と人との距離を充分にとって実施する身体活動」を推奨します。」(http://jaee.umin.jp/doc/covid19.pdf)との事で、コロナウイルス感染予防に伴う運動不足が懸念されています。確かに健診会場に行きますと、ステイホームの影響で運動不足になり体重が増えたという受診者が多いなと感じておりました。

 この度、新潟県労働衛生医学協会がデータをまとめてくれました。それを見ますと、明らかに例年に比べて今年の5月の受診者は、検査データが悪化しておりました。もちろん、加齢の影響を見ている可能性もありますが、中性脂肪やALT、血圧の結果を見ますと、2018年と2019年のデータに比べて、2020年のデータが突出して悪化していることがわかります。

 肥満や、糖尿病、心不全、呼吸疾患などの基礎疾患があると新型コロナウイルス感染は重症化しやすい事も知られている事から、3密を避けながら健診もきちんと受けられて、自分の検査値を把握し、肥満の方は減量を目指して生活習慣の改善を試み、心不全の元となる様な心臓の病気をおこしやすい糖尿病、高血圧、脂質異常症などの早期発見、呼吸器疾患を防ぐ禁煙へのとりくみなど、そのきっかけ作りとなる健診を受けることをお勧めしたいと思います。

お問い合わせ先

(一社)新潟県労働衛生医学協会
臨床検査部 松田和博・田中一成
所在地:〒950-1187新潟市西区北場1185-3
TEL:025-370-1022