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肺機能検査

肺機能検査とは?

肺機能検査は、肺の機能を評価するために、肺がどのくらいの量の空気を吸いこめるか、どのくらいの速さで吐き出すことができるのかを調べます。肺気腫などの疾患に対する検査です。

検査方法

【肺活量】

安静呼吸から大きく息を吸い込み(最大吸気)、次に最後まで吐き出す(最大呼気)、その時の空気の量、いわゆる「肺の量」です。肺の大きさは一律ではなく、年齢、身長、体重、性別から算出される「予測値」と比較し、80%以上あれば「正常範囲」です。

【努力性肺活量】

安静呼吸から大きく息を吸い込み(最大吸気)、最大限の力で一気に息を最後まで(最大呼気)吐き出し続けます。正常な肺は一気に吐き出した場合、最初の1秒間に(1秒率)70%以上の息を吐きだすことができます。この1秒量も肺活量と同様に「予測値」があります。

【肺年齢】

肺年齢とは1秒量から、予測量に比べて自分の呼吸機能(%一秒量)がどの程度であるかの目安として調べるための検査です。

 

肺機能は20歳代をピークに加齢とともに低下します。肺年齢を知ることで、肺の健康意識を高め、健康維持や禁煙などの目安としてください。
肺機能検査は検査される方のご理解とご協力がないと正しい結果を出すことができません。検査する側も一生懸命かけ声をおかけします。検査の趣旨をご理解いただきまして、ご協力くださいますようよろしくお願い申し上げます。

Column~コラム~

慢性閉塞性肺疾患COPDと肺年齢について

慢性閉塞性肺疾患COPD(シーオーピーディー)とは

従来、肺気腫や慢性気管支炎と言われてきた病気が、「慢性閉塞性肺疾患」と呼ばれるようになりました。
COPDは英語名の Chronic(慢性)Obstructive(閉塞性)Pulmonary(肺)Disease(疾患)の頭文字を並べた略語です。COPDは言いやすいことからよく使われています。

COPDの死因順位は男性で高く、2021年は第9位でした。

ドック肺機能検査_画像.jpg

ドック肺機能検査_画像2.jpgたばこなどの有害粒子やガスを長い間吸うことによって、気管支や肺胞に慢性疾患が起こり、肺の中の空気の通り道が狭くなり(閉塞)、空気の出入りがうまくいかなくなる病気です。このため息切れ、咳、たんなどが現れるようになります。

 

 

COPDの早期発見には、肺機能検査が有用です。

 肺機能検査には、2つの要素があります。1つは、大きく吸い込んだ息を最後まで吐き出して、その呼吸量を調べる「肺活量」の測定。もう1つは大きく吸い込んだ息を出来るだけ勢いよく吐き出し、1秒間にどれだけ吐き出せるかを調べる「1秒量」の測定です。
 COPDで低下するのは「1秒量」の方です。1秒量が標準値と比較して少ないと、「COPDの疑い」と判定されます。


肺年齢とは

肺年齢とは、測定した1秒量が標準値に比べてどの程度であるかを、肺年齢計算式を用いて肺の機能的な年齢に換算し、わかり易くした指標です。

1秒量の標準値は、性、年齢、身長によって異なり、20歳代をピークに加齢とともに減少します。右のグラフは、肺年齢の計算式のもとになったグラフです。非喫煙者に比べて、喫煙者の機能は加齢とともに大きく低下しています。
ドック肺機能検査_画像3.jpg

肺年齢とは1秒量から、予測量に比べて自分の呼吸機能(%一秒量)がどの程度であるかの目安として調べるための検査です。

〔1秒量による肺年齢の計算例〕
45歳、男性、身長170.0cm、体重73.0kg、1秒量3.19リットル
肺年齢計算式に代入すると63歳(+18歳)

()内は実年齢との差です。肺は機能的に18歳老化が進んでいることを示しています。

 

ドック肺機能検査_画像4.jpgCOPDの最大の原因はたばこです。喫煙を始めた年齢が若ければ若いほど、また、一日のたばこの本数が多いほど、COPDになりやすく、進行しやすいといわれています。一度壊れた肺胞は元には戻りません。症状がなくても、喫煙習慣があるとCOPDになるリスクは非常に高くなります。これ以上、肺の老化を進めないためにも、ぜひとも禁煙に挑戦することをお勧めします。